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住職の心書198.重り 1/2

重り

お坊さんが道を歩いていると一人の男が話しかけてきました。
「私は悪い盗人です。どうかあなたの祈りで私の悪い心を改めて善人にしてください。」
と懇願しました。

それからしばらく月日が経つと盗人は段々と怒りをあらわにしてお坊さんに詰め寄りました。 
「あれほどお願いしたのに何の効果もない。全く祈ってくれてないじゃないか!俺は相変わらず悪いことばかり考えてしまって困っている」
お坊さんはその事には答えず喉が渇いたなぁとつぶやきました。

盗人は辺りを見渡して井戸を見つけました。
「俺が縄を垂らすからあなたは井戸に降りて水を飲んだらいい。飲み終わったら引き上げてやる」
盗人はこう約束してお坊さんを井戸の中に入れました。

水を飲み終わったお坊さんが「上げて下さいな」と声をかけると盗人はヨッシャーと力いっぱい縄を引きましたが縄は全く上がりません。
人が井戸の中を覗いてみるとお坊さんが井戸の底の石と一緒にしがみついていたのでした。
盗人は「お前はバカか!石を手放せば引き上げてやる。」

お坊さんが盗人にいいました。
「私はいくらあなたのために祈ってもまずあなた自身が悪い心の石を放さなければどうにもなりません。鉄の縄で引き上げるほど祈っても鉄の縄が切れてしまうだけなのです」
盗人はお坊さんを引き上げてその足元にひれ伏し髪を剃ってお坊さんの弟子となり善人となったといったお話。

知心寺住職 眞田正適

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眞田正適

中学校を卒業してから高野山にて十年間 真言密教を学び、行を経て地方寺院にて長年奉職するもコロナウイルス感染症が流行により、辞職することになる。 自分自身に何ができるかと自問自答していた時に、知心会代表である岡本真太郎と出会い、「皆が共に学び、共に成長できる場所を作りたい」といった想いに感銘を受け、知...

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